ライセンスと叩き上げのスキルだけが武器のマンション管理士 川島 崇浩です。
さて、最近、地球温暖化のせいもあって、雪への対策がおろそかになっていないでしょうか?
先日、顧問先のマンションの理事会で、こんなやりとりがありました。
理事長 「明日は雪が積もるみたいだけど、雪かきは誰がやるの?」
管理会社「管理員は人が通行するところだけやります」
理事 「理事会で手伝える人だけでも集まりましょうよ。スコップは何本あるの?」
管理会社「1本もありません」
理事会 「・・・・・管理員さんはどうするの?!」
もちろん、突然の降雪に備えて、除雪用品をきちんと揃えているマンションもありますが、除雪用品の揃え方にもポイントがあります。
【除雪用品のポイント】
融 雪 剤
融雪剤は、熱を利用して雪を溶かす薬品ですが、この融雪剤を対応拠点に常備している管理会社もあります。立派ですね。しかし、融雪剤と一口に言っても、塩化カルシウム・塩化ナトリウム・塩化マグネシウム・炭酸カルシウムなど複数の種類があり、雪を解かすスピードや持続性の違いや、金属を腐食させたり、植物を枯らしたり、皮膚炎の原因になったりするものもあるので、購入と使用には注意が必要です。
炭酸カルシウムは、融雪スピードは遅いものの、金属や植物への影響は少ないので、マンション向きかもしれません。
除雪スコップ
プラスチック製・ポリカーボネイト製・アルミ製・鉄製(丸形・角型)などあり、積もり始めの雪に対応するものと、凍った雪に対応するもの、複数種類用意しておくとよいです。敷地の広いマンションでは、スノーダンプを常備しているマンションもあります。
軍 手
最近では軍手を常備しているお宅も少ないのではないでしょうか。除雪の際は、素手では手がかじかんでしまいますので必須です。防災備品としても兼用できますので、管理組合である程度ストックしておいてもよいでしょう。子供用軍手をストックしている管理組合もあります。
雪かきは安全第一で!
雪かきは見た目以上に重労働です。
住民の皆さんで雪かきに参加する場合、思わぬケガを防ぐためにも、雪かき前には必ず準備運動をしっかり行い、体温調節と水分補給に心がけましょう。
また、ルーフバルコニーなどの高所は、管理会社に対応を相談しましょう。
降雪時のトラブル
降雪の際は、転倒事故だけでなく、センサーに積雪し機械式駐車場が停止してしまったり、屋上に積もった雪が原因で漏水したりと様々なトラブルが発生いたします。
除雪用具の有無や保管場所と共に、起こり得るトラブルとその対策を、雪が降る前に管理会社に確認をしておきましょう。
実は雪への対応でも、管理会社ごとに違いが出ます。
例えば、前述の除雪スコップを常備していないマンション。対応拠点がマンションから近かったり、営業車両を有している管理会社では、「すぐに買いそろえておきます!」という対応が取れますが、そうでない管理会社は手の打ちようがありません。
また、対応拠点が近ければ、管理員だけで除雪対応が困難な場合に、社員がサポートに駆けつけてくれるような管理会社もあります。
このようなところも管理会社を比較する際のポイントになります。
一般社団法人日本マンションサポート協会
マンション管理士 川島 崇浩
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